私が見聞した天下り役人の実体

最近「ホージンのすすめ 若林アキ著 朝日新聞社刊」と言う特殊法人の暴露本を
読みました。しかし、ほんの10頁も読まない内に閉じてしまいました。理由は猛烈に腹が立ったからです。へーこんな事が許されているの?とかほんとかよーとか。でも、それが実体だとすると許せません。気を取り直してまた読み出すと途中で閉じてしまいます。腹立たしいのを通り越して白けます。

最近話題になっている、社会保険庁のあのルーズなやり方。国民の資産を食い物にしている図式には我慢がなりません。そしてここが肝心なのですが、国民つまり一般大衆は実に寛容です。国民性なのでしょうかね。一例が社会保険庁ですけれどこれは氷山の一角だと思います。

【私も特殊法人と取り引きしていました】
告白しますと、ずーっと昔、私は取引の関係でいわゆる特殊法人に出入りをして仕事をもらっていました。5年以上の期間、美味しい仕事を頂いておりましたが、やはり嫌気がさして身を引きました。その時の体験をお話ししますと、この組織は名前だけの理事長の下に、専務理事がいて、常務理事、部長、課長、課長代理、係長、平という構成です。専務理事はご多分に洩れず本省のおえらいさんが天下りするわけでして、その権力たるや凄いもんです。私ども、出入りの業者はほぼ毎日のように顔を出しますが、まず、一番に専務理事、以下順に席を回って挨拶します。何故か屈辱感を味わいますね。最も専務理事は朝居ることは滅多にありません。大概10時過ぎにおいでになります。その後ちらちらそれとなく観察していると、主にスポーツ誌を読んでいます。古参の女子職員が恭しく差し出すお茶又はコーヒーを美味しそうに飲みながらです。専務理事さんの飲むコーヒーやお茶はブランドが決まっているようです。品物をうっかり切らして叱られる女子職員から聞きました。君君僕はこれこれしか飲まないからね、以後気を付けてくれよですって。規模にもよりますが、ちょっとした政府法人の部長クラス(大抵本省からの出向者)の待遇となると、まず部屋の大きさが凄い。大会社の重役クラス並の個室だそうでカウンターバーなどもあるそうな。
その後、課長クラスの人が、席まで出向いて差し出す書類に殆ど目を通さずめくら判を押して、11時半を過ぎると何処へやらへ出かけます。食事だそうです。大概3時を過ぎるともういません。私も一日中へばりついている訳ではありませんので、以上はつぎはぎの観察結果と気心の知れた平職員の漏らし話からです。
前述はかなりマイナーな特殊法人ですが、ちょっと規模が大きいと半端じゃありません。
具体名を上げられないのは残念ですが政府法人に勤務するトップクラスから並職員迄の日頃の勤務実態は下記のようです。
〇〇制度研究所の部長はれっきとした部長ですが日勤はしていないようです。月に数回顔を出す程度。それでいっぱしの年俸(年収1,200万円ほど)を受け取って、奥様は社交で忙しいから家政婦を雇っているそうな。
並職員は職員ではなく、研究員だそうで(研究所と公称しているのだから当然のようですが、実体は殆ど何もしていないと職員の親しい友人から聞きました。タイムカードは無いそうです。月末に出勤簿の空欄の箇所にべたべた判を押してお終いです。遅刻や勤務中の外出は全く自由なようで誰もとがめ立てする人はいないようです。欠勤三昧、私用三昧に明け暮れているようで、午前中はパートのおばさんが淹れてくれるお茶やコーヒーを飲んで馬鹿話で終わり、午後はそれぞれやりたいことで終わり、今はどうか知りませんが、年三回の賞与が出ると友人は言っていました。本当ですかね。民間企業でしたら一日たりとも勤まりませんよね。アルバイトの学生の日給が10,000円、パートのおばさんが時給1,000円、あまり居心地がいいので一旦採用になったらやめる人は殆どいないそうです。昼間のんびり遊んで夜残業、残業代が月に数十万などという豪傑もいるそうです。
何故研究員かというと、法律で決められた範囲では一般職員では人件費が国からでないと言うことで隠れ蓑と言うわけです。これは明らかに詐欺ですね。被害者は国民です。
この職場はその性格上、かなり海外出張が頻繁だそうでこれもまた途方もなく豪華だそうです。
ODAとも関係の深いこの法人は頻繁に海外出張があるようで、昼日中料亭での結団式。それから、飛行機は平職員でもビジネスクラス、勿論お偉方はファーストクラスだそうで、現地に着くと大使館差し回しの車でホテルへ。案内は大抵〇〇書記官です。現地では別の組織との共催で大抵一週間ほどの期間、セミナーを行うそうです。同行したキャリア官僚の講演がほんのちょっとあるだけでメインは終了。後は閉会までもっぱら観光となります。このキャリア官僚には公金から支出される講演料が支払われるそうです。行く先々では必ず領収書をもらって後ほどそれをまたちゃっかり換金するのは当然だと友人は言っていました。〇〇書記官などの本当の仕事はまあ、言ってみればたいこもちの様だと言っていました。生え抜きの外交官の他には〇〇省よりの出向者もいて現地の〇〇事情視察、調査という名目で殆どまっとうな仕事ではなく、たいこもちと観光、ゴルフに明け暮れていて住んでいるマンションの家賃は大使館持ち、メイド付きですって。海外出張は順繰りに巡ってきます。この人はまだ何処へも行ったことがないとなると上司が勝手に名目を考えてくれます。例えばODAを通して或る国に備品を供与したとします。この備品が確実に着いているか確認するという名目です。出張の際、支度金が出ます。あれやこれや工夫して帰国後清算すると大抵かなりの金額が余って余録となるそうです。
新入りの職員が海外出張の手配を任されて、張り切って格安の航空券を手配し、得意になって上司に報告したとき、上司曰く「君困るよこんな前例を作ったら、飛行機はビジネスクラス、運賃は正規運賃と規定されていんるだ。以後注意しないと始末書ものだよ」と叱られた話を聞きました。
年度末になると人事、経理担当は大忙し。何しろでたらめな出勤簿、稟議書、契約書、残高試算表など、つっこまれて困るものの改竄に没頭する訳です。このマイナーな法人の年間予算はおよそ数十億円で、鼻くそみたいな予算額ですから検査員の検査もまたいい加減なものだそうです。百万円以上もかけてコンピューター会社にデーターの組み替えを依頼するのも毎年恒例ですって。何しろ、予算は余らせない、絶対に使い切れというのが鉄則ですから。法人の置かれている環境によっては、職員の福利厚生という名目で、テニスコートや豪華な休憩室、茶室なども出来るわけです。予算を余らすと国庫に返す。次の予算を減らされる。彼らには致命的な訳です。国家財政が大赤字で国債残高は増える一方なのに特殊法人を始め外郭の〇〇協会などが湯水のように税金を無駄遣いしているこの現状を皆さんはどうお考えですか。指をくわえて見ているだけですか。何人かの首相もこの特殊法人の見直しを計ったようですがいつも骨抜きにされて、ただ呼称が変わっただけのようです。

そもそもこの特殊法人がどのようにして誕生したのか。私の乏しい知識では想像でしか察することは出来ませんが役所の頂点に立つ人はいずれ政務次官クラスを狙っているわけで、でもライバルがいるので当然あぶれる人が出るわけですよね。つまり、この人たちの救済って訳だろうと察します。あぶれた人は何処へ行くか?そこで新天地が誕生する訳でしょ。人脈を使い、実力を発揮して何かと口実を設け、根回しをして予算を獲得し民間のさるところと組めばなんとか法人やなんとか協会は簡単に出来上がります。そこへあぶれた人を送り込む図式です。例えば、マイナーな所では、駐車違反車の移動撤去。あれは何処かの民間企業がやっているはずですが、恐らくしかるべき役所の機関が音頭をとってしかるべき企業と手を組んであのシステムを作り上げるのでは。訳もないことです。その場合必ず補助金が付くわけでしょうから凄い利権となる。
他にも、道路の白線引きなどもやはり美味しい仕事ですよね。当然、競争入札を建前にしているのでしょうが実体はさてどうか。兎に角、なんとか法人やなんとか協会はどれくらいあるのか知りませんが総て、その中心は天下りで占められているということは断言できると思います。
話は違いますが私は仕事の都合でマイカー通勤をしています。朝、専用バスレーンのある通りを走るのですが必ず専用バスレーンを通過する違反バイクがあります。取り締まりの警官が網を張って捕まえます。そのレーンを利用できるのは50cc以下のバイクでそれ以上のバイクは一般車両と一緒に走ります。見ていて危険を感じます。取り締まりの人数はいつも7〜10人くらい。とても大げさに見えます。私の勘ぐりですが彼らは当然早出、或いは特別勤務手当が付く。殆ど毎日ですから結構馬鹿にならない。専用バスレーンは当然ガラガラです。バイクの利点は一般車より速く目的地に着くのがメリットですから一般車にまじって危険な走行をします。警察署の前で10人近くの警官が固まって取り締まりに当たっている光景とガラガラのバスレーン、一般車とスピードの出るバイクの危ないチェイス。何か矛盾を感じますが如何。特別手当と言えば、昼間、半分居眠りを過ごしていても夕方になるとしゃっきりと目を覚まして残業する職員をよく目にしました。広い部屋に明かりを皓々とつけ、仕事をしています。残業手当が目当てです。新聞のコラム欄で読んだ小話があります。役所の偉い人を訪ねてきた市民が「〇〇局長にお会いしたいのですが」秘書曰く「局長は午前中は出勤していません」市民「じゃ午後から?」秘書「午後は働きません」

我々の業種は同業者も数社出入りしていますが、暗黙の内にテリトリーが決まっていますから滅多に仕事の取り合いはありません。形式的には公正な競争入札となっていますが、そんなことは滅多に行われません。殆ど指名入札です。こちらの価格は抵抗無く受け入れて頂けます。たまに競争入札がある場合は当然談合です。近くの喫茶店で同業者の世話役が取り仕切り、話し合い又はくじ引きで決定します。勿論価格は適当です。ただ、はずれた業者には引き当てた業者から金一封が渡されます。担当営業マンのポケットマネーになります。呆れたことにこの現場に時々職員が冷やかしに来るときがあります。信じられますか?しかしこんな事も通用する世界なのです。当然の事ながらここまで癒着するには普段のおつき合いが大変重要です。ちょっとした不義理が命取りになる場合がありますから。

盆暮れのそれ相応の贈り物、釣り、ゴルフ、温泉旅行、銀座のクラブ、食べ歩き、お客である担当者の趣味とか取引量などで勘案します。私などは根っからの営業マンではありませんので専務理事様あたりに取り入る事はとても無理なのでとびきり美味しい仕事にはありつけません。内情が次第にわかってくるとまともな感覚でつきあえる世界ではありませんし、多少なりとも良心というものがあればやはり、嫌気がさします。小意地の悪い相手と大喧嘩して取引をやめました。それにしても、接待費は馬鹿になりませんので息の通じた同業者と組んで複数の担当者を接待します。彼らは健啖家です。口が肥えていて、よく飲み、よく食べます。銀座などへ誘われると勘定書が気になって生きた心地がしません。ちょっと纏まった受注のあとはそれとなく誘いがあります。両国の花火の季節であれば、このところ花火はみてないねーとか、紅葉が見頃だねーとか謎を掛けてきます。接待相手が纏まると比較的安価な釣り旅行をします。接待する側も複数ですから割合気軽です。釣り宿に泊まってその晩はどんちゃん騒ぎですから翌日は釣りになりません。さんざん船から撒き餌をしたあげく早々と引き上げて宿でポーカーやら花札などで過ごします。なかには酔っぱらってもう一晩泊めろとくだをまく輩も出る始末です。

特殊法人の組織は総て親である本省を見本としています。給与規定も然りです。それ相応の理由があれば簡単に休みが取れます。まず、彼らは仕事をしません。仕事をするふりをしているだけです。大した事でもない仕事を仲良く分け合っています。例えばこの法人は全国に支部があります。定期的に職員交代で出張とやらの我々民間人からすると物見遊山としか言えないような出張が定期的にあるようです。帳簿の付け合わせだそうです。聞いた話では一日目は先方の専務理事を始め主だった人が料亭で歓迎会を開いてくれて翌日から観光です。お別れは歓送会がまた開かれます。その後、臨時休暇を使っておまけに出張手当が支給されてと、まるで極楽ですね。
昨日までうだつの上がらない職員が定年を迎えたとします。すると係長であれば課長代理に、課長であれば部長代理に昇格します。総て退職金算定に有利に働くわけです。仲の良い職員曰く、普通の会社だったらとっくの昔に潰れているよな〜です。平の職員はせいぜい出世しても係長までです。それ以上は本省或いは本省の息のかかった処からの天下りです。持参金付きだそうです。そのようなお金はどこからどのような名目で出るのでしょうか。
余談ですが私の小学校のクラスで一番の出世頭は〇〇大使です。主に東南アジア諸国でしたから一流ではありませんが何とか経済事業団の中枢から横滑りして大使で終わったのですが、それを鼻に掛けてたまに開くクラス会では鼻持ちならぬ言動で皆の顰蹙を買っていました。ご多分に洩れず退職後はあちこち天下りで渡り歩いていました。その組織では専務理事としてですが、働いている日数は月に僅かだそうですが収入が聴いて呆れます。途方もない金額でクラス会の一座は白けっぱなしでした。彼が言うには大使館での私生活では専属の家政婦は勿論、コックもいます。大使館の〇等書記官などの仕事の主な内容は日本から訪れる政治家などの接待だそうで殆ど旅行会社の添乗員並の仕事を必死になって切り回しへとへとの毎日を送っていてむなしい限り。大使と書記官では月とすっぽん程の開きがありますから大使にしてみれば家僕並だと彼は言っていました。
こんな例もあります。久しく鯛の刺身を食べないので出入りの業者に暗示をかけたとします。その業者は阿吽の呼吸で日本からの空輸で生きのいい鯛を取り寄せ、次の日には食卓に登るというわけ。

専務理事さんもそう長く在職するわけではありません。後がつかえているからです。そしてたっぷりな退職金をもらって次の職場へと転身します。この方の前身は本省管轄の○○○○○○署の所長クラスでした。わけあってそれ以上の出世コースは望めず肩を叩かれたのでしょう。しかし、うん千万の退職金をもらって次の職場で結構な給与をもらって、次にまた退職金もらって、の繰り返しで二三回泳いでいるとどうなりますか。この専務理事さんが支部の専務理事に転進したとき、自宅へひょんな事で呼ばれたことがあり、その住居の結構なことにびっくりしたことがあります。私を贔屓にしてくれた方はこの専務理事さんと同期の方ですがこの方はもっと出世コースを外れてこの協会の次長クラスで終わりました。それでも自宅は都内近郊の閑静な場所に300坪の敷地でした。全体、役人様は蓄財が上手なように見受けられますが私の僻めでしょうか。

しかしながら、この組織を利用して仕事をもらい会社を運営していたとなると私も同罪ですね。贈賄の罪に問われても仕方ありません。過去のこととはいえつくづく反省しておりますし、自分に嫌悪感を覚えます。同罪と言えば政治家さんも然りです。昔、ちょっと大きな出版の企画に携わった事があります。金額にして億です。入れ込んでいたので海のものとも山のものとも言えないのに先行投資をしてしまいました。ところが途中でスポンサーが降りてしまい宙に浮いた私の投資額は回収がおぼつかなくなり、色々思いあぐねた末、政治家を利用してその出版物を各地の図書館へ備品として納品するというアイデアを考え、まず政治家探しを始めました。政治家にスポンサーを紹介してもらおうとしたわけです。政治家を紹介してもらうにはその道のいわゆるフィクサーなる人が必要で、何とかその人を見つけ頼みました。結果、首尾良く元文部大臣他2名の元閣僚級の政治家を紹介していただき、紀尾井町あたりのさる料亭でお会いくださるとのことでした。その時、フィクサー曰く、お車代を持参しろ。はあ、おいくらぐらいで、2〜3万?。馬鹿あ、相手は代議士だぞ、子供だましな鼻くそ金で物を頼めるか。取りあえず一人百万だ。すると三人で三百万ですか。当然だろ。結局見えたのは代議士秘書で当然ですがご本は見えるわけはありません。お車代は出世払いと言うことで勘弁してもらいました。その後2〜3回その料亭でご引見いただきましたが経費倒れに終わりました。
教訓:正攻法で行くなら政治家さんになど依頼すべきではない。もし、うまくいってもお終いは所謂けつの毛羽まで抜かれるのが落ちだ。という結論でした。

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